前回の記事で「老後資金を貯める際に気を付ける事と、老後の優遇」を予告しましたが、1回じゃ無理だと早々に気付きました。複数回に別けて書くのでご容赦ください。
さて、今回のテーマは「固定費を下げる」です。これも数回に別けます。(書いていたら長くなりました。)
日々の生活費を削ることもある程度有効ではありますが、「チラシをチェックして1円でも安い卵を買いに行く!」といった節約は費用対効果としてはいささか良くありません。老後のためにお金を貯めるのも大切ですが、今の時間も大切にしてほしいので、細かい節約は後回しにしてください。まずは簡単に効果が出る固定費の削減から始めましょう。
固定費の1回目は賃貸住宅と自動車についてです。
目次
賃貸住宅
住宅費は生きていくうえで切っても切り離せない話です。
今回は住宅費の中で賃貸住宅について書きます。(戸建てやマンションなどの持ち家の話は今回は見送らせてください。)
安い部屋にする
単純な話ですが、同じような条件の部屋でも根気強く探せば安いところは有ると思います。
他に工夫出来るところは、無駄なものを減らして必要なスペースを減らして、スペース分家賃が安いところに住むという手です。
この方法は、無駄な物を買わない(買えない)効果も有るので割とそこそこ有効かと思います。ミニマリストを目指す人には良いかもしれませんね。
シェアハウスに住む
1つの賃貸物件を複数人で住むことで家賃を安く済ませます。
人間関係によるトラブルが多いようなのでルールをしっかり決めることが重要になりそうです。
ただし、冷蔵庫や洗濯機などの家電はあらかじめ揃っているため入居のコストが抑えられるのと、すべての家事が当番制になる事が多いので家事の負担が減るというメリットがあります。
他人とコミュニケーションをとるのが苦で無い人は選択肢の一つと言えますね。
シェアハウスを買う
私がやってみたいので紹介しました。
自分で住みつつ、他の人と一緒に住みます。賃貸でありつつ持ち家になりますが、これの効果は高いので紹介しました。ちなみにこれは節約というよりも収入ですね。
賃貸でシェアハウスする際のリスクに加えて、空室リスクは有ります。
ただし、自分の持ち家なので建物をリフォームするなど、自身の工夫で対策も出来ます。また、税金対策にもなるので起業に興味がある人はやってみる価値が有ると思います。
やる場合は入居者とは事前に面談して相性の確認をしたり、シェアハウスの注意点の説明はした方が良いでしょうね。
お金に余裕がある人はやってみるのもアリなのではないか?と思います。私は家族持ちなので自分で住むのは厳しいですが運営はしてみたいです。
ちなみに、シェアハウス用の家はリスクを抑える意味でも数百万円の築古戸建てを買うのが良いでしょう。ある程度リフォームすれば古い家でもキレイになります。
社宅に住む
社宅は会社が賃貸を借り上げ、賃料は社員の給料から直接徴収するものです。これの何が良いかと言うと節税効果です。
以下に例を挙げます。
通常賃貸 | 社宅 | |
---|---|---|
年収 | 720万円(家賃:年120万) | 600万円(家賃天引き済み) |
所得税・住民税合計 | 70万円 | 48万円 |
社会保険料(労使合計) | 210万円 | 180万円 |
残 | 320万円 | 372万円 |
この例では年間52万円⇒月43,333円の節税になります。10万円の部屋が実質56,666円で住めるって凄い!※参考:坂本会計事務所
なお、社宅という制度は会社にも節税メリットがあります。給料として支払うとその分に社会保険料が発生し、社員と会社で半分ずつ払うことになります。社宅として払う場合はこれがかかりません。なので、上記例では年間30万円⇒月2,5000円の節税になります。※参考:法人保険の教科書
会社によっては社宅の個人負担額を一部会社が肩代わりしてくれるケースもある様ですね。
なお、上記「法人保険の教科書」は「個人が好きな家を選んで住める」と書いていますが、その辺は会社との相談でしょうね。
社宅制度を導入していない会社でも、会社のメリットを把握していないだけの可能性はあるので、相談してみるのも手だと思います。
ちなみに私はシェアハウス+社宅を私の勤めている会社に提案してみたいと考えています。もっとも、家賃が安いので社宅の節税効果は薄れてしまうので入居者のメリットはそこまで高くならないですが、新入社員など貯金がまだ無い人には入りやすいと思っています。まあ、実際やって見ないと判らないですが、やったらまた記事にしてみます。
自動車
その車、本当に必要ですか?
毎月の利用回数が少ない人は所有を見直すことをお勧めします。趣味として保有する人はそれでも良いと思いますが、ただの移動手段としてとらえている人は自動車の保有に固執しない方が良いでしょう。
車でかかる固定費は駐車場台、保険代、税金がかかります。この他に新車は購入後3年、以降は2年ごとに車検が必要です。
参考までに、ザックリシミュレーションしてみます。毎月数回しか使わないので安めの軽自動車を購入した想定です。ここでは車両代も固定費として計算しています。
・車両代:800,000円 ※新品で安めの軽自動車。某社自動車を価格交渉で少し安くした想定。
⇒14年間使った想定の月額:4,762円 ※ここに載っていた車の寿命から14年としました。
・駐車場(月額):7,000円 ※近所の安めの月極駐車場
・保険(月額):3,000円 ※ここを参考に安めの価格(年齢の話もあるから最安にはしてないですが)。
・税金(月額):600円 ※ここを参考に12で割った額
・車検(月額):1393円 ※ここを参考に、1回39,000円を14年で6回想定
・合計:16,755円
このほかにオイルやタイヤ等の消耗品や、自動車売却など考慮すると、この価格を前後すると考えています。各費用は安めに見積もっているため、実際にはもっとかかるとは思いますが、一旦はこの価格を元に考えてみます。
リースで保有する
数か月~2年程度利用する(その期間を過ぎたらあまり乗らない)予定の人、もしくは、無借金で自動車を保有したい人向けといったところでしょうか。
2年というのはとりあえずの目安です。購入した場合の期間が短いほど、ひと月あたりの車両代にかかる費用が高くなるため。
無借金で保有する点について補足すると、ずっと使う人の場合は固定費削減という訳では無いですが、借金のリスクを抑えるという点でメリットがあります。借金して車を購入しても、急な出費でローン返済が出来なくなった場合、車を売却するケースも有ります。場合によっては売却しても借金が残る場合もあります。
もちろん、リースにもデメリットは有って、月額料金を安くするために長期契約すると、途中で打ち切る場合の違約金が発生します。
利用期間が決まっている場合や、借金のリスクが高い人はリースという選択肢もあるので検討してもらえればと思います。
レンタカーを利用する
たまに使う程度ならこれが良いと思います。
目的に応じて車種を変えられるのも便利です。
旅行で使う場合は、目的地付近の駅で借りることも出来るので、長距離運転する労力が無いのは魅力だと思います。
デメリットは借りた場所に返さなければいけない、決まった時間までに返さないといけない、毎回違う車になるので運転感覚が狂う等でしょうか。
ただ、保有コストを考えたら大分出費は抑えられると思います。運転に自信がある人なら利用するのは有効でしょう。
カーシェアを利用する
感覚的にはレンタカーに近いですが、近所に利用できるところがあるなら検討の価値は有るかもしれません。
「誰が使っているか判らない」、「汚いのではないか」といったイメージは有りますが、最近では利用者のマナーが料金に影響するようなサービスもある様です。これまで悪いイメージが強かったようですが、これから期待できるように思います。参考までにタイムズのサイトも参照頂ければ。
公共交通機関を利用する(タクシーを含む)
タクシーを含む点がポイントです。
毎日タクシーを使うくらいなら自動車を購入した方が良いかもしれません。
しかし、月に数回自動車を利用する感覚で公共交通機関を使うのであればどうでしょうか?このケースでは前提で挙げた自動車を保有した場合の固定費に加え、ガソリン代、高速代も考慮して比較してみましょう。
タクシーを利用するケースは、病院や駅などに行くケース、急いでいるケースが思い浮かびます。
病院は、体が動かすのが辛い時に使う場合に有効かと思います。自動車を持っていても独り身なら自動車で行くのも大変なのでタクシーを利用することは有ると思いますが。対して、検査など、自分で動ける時はバスなどでも代替手段として選べますね。
駅に行くケースは、普通に駅に行くくらいなら徒歩や自転車、バスなどでも問題有りません。なので、荷物が多い場合など徒歩、自転車、バスを利用することになると思います。
急ぐケースも発生頻度によると思います。ある程度予定を立てて行動すればタクシーを使う回数は減らせるでしょう。
このように、必要に応じてタクシーを利用することで出費は調整出来ます。
人に借りる
私はこれです。
貸している人にとってデメリットが無いようにお礼はしっかりしましょうね。最初に書いた自動車の固定費を参考に、どのくらいお礼したら良いかを考えるのが良いと思います。毎日使うわけでは無いのでそこまで高額じゃなくても良いですが、ガソリンが減っていたら入れて返したり、お土産を渡す等した方が良いかと思います。
いつでも借りられる訳では無いので貸し手とコミュニケーションをとって調整しましょう。
最後に
固定費で大きな部分を占める住宅と自動車について書いてみましたがどうだったでしょうか。
毎月万単位の節約が見込めるので年間だと数十万の節約になります。ぜひ検討してみてください。
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